真夏の中村あゆみ

2013年8月・9月

真夏の中村あゆみ Vol.24

 1年の中で、中村あゆみが絶対に仕事を入れない日が1日だけある。愛娘の運動会の日だ。彼女が‘ギャング’と呼ぶ娘も今年、中学3年生。母親として観に行くのはおそらくこれが最後になる。昨年の運動会ではリレーのアンカーを務め、ごぼう抜きしてチームを優勝に導いたというギャング。今年は体育委員を務め、2週間ほど前から「○○ちゃんが前で、次は○○ちゃんで…いや、逆のほうがいいのかな…」とブツブツ考え込んでいたらしい。

 当日、3年生全員が参加するプログラム‘ムカデ競争’。あーわかった! これだったんだ!…愛娘が必死で頭を悩ませていた競技だ。チーム全員の足が綱で縛られ、両手は前の人の肩へ。一人でも歩調がズレれば、うまく進まない。スタートの合図とともに一斉にスタートし、イチ!ニッ!イチ!ニッ!思いのほか好調なすべり出しで、期待が膨らむ。しかし中盤、コーナーで他チームに両側から挟まれペースを乱し、崩れるように転倒。結果は4位に終わった。練習の成果を100%出しきれなかったことが悔しかったのだろう。誰を責めることもなく全員が円陣を組んで涙を流している姿を見て「一人のチカラでは勝てないことがたくさんあるんだよ。何よりチームワークが大切なんだよ。それが学べてよかったじゃん。第4位、おめでとー!」。遠くから彼女は、心の中でそう話しかけたそうだ。

 9月29日(日)、今年も東京・赤坂BLITZで中村あゆみのライブが開催される(開場17:30/開演18:00全席指定¥6,500)。昨年のステージも拝見させてもらったが、彼女のパワフルな歌声にバンドメンバーの演奏、素晴らしい演出、そして観客席を埋めるファン。そのチームワークの素晴らしさに大感動したことは僕の記憶に新しい。彗星のように現れて、独走していたデビュー当時。彼女もまた、いつしかチームワークの大切さを肌で知って、ますます大きくなっていった一人だろう。

 日本人観光客が減少後、なかなか回復できないでいるサイパン。一足飛びにあの黄金期には戻れないが、ポジティブ思考のチームワークでもう一度、少しずつ観光客を呼び戻し、やがてはたくさんの花咲く大樹に育てていければ…中村あゆみを見ていて、それができると思った。

真夏の中村あゆみ 中村あゆみオフィシャルチャンネル
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