真夏の中村あゆみ

2013年12月・2014年1月

真夏の中村あゆみ Vol.26

2011年8月号からはじまったこの連載企画。今年、3回目の年越しを迎えることになる。いつものように取材を申し込んだところ、年末を控えて中村あゆみのスケジュールはビッシリ。今回は、なかなか日程調整がつかないところを何とか無理をいって、わずかなプライベートタイムの隙間に押しかけての取材となった。「去年にも増して、今年は忙しいみたいだね」「ホント、おかげさまで」…ん? この会話、確か、1年前にもしたような…。「あれ? そういえば、そんな気がする~!てことは私、去年よりさらに上り調子ってことじゃん!キャーうれしい~!」。その笑顔は、デビュー当時、僕が遠くから見ていた、あの頃のまま。駆け引きのない素顔の彼女が、今、僕の目の前にいる。

 今年の総括と2014年の抱負は?という質問を投げかけてみた。「今年はアルバムも出せたし、着実にまた一歩、階段を上れたと思うな。来年は…」と言いかけて、何かを見つめるように、彼女の言葉が途切れた。しばらくの沈黙。次に出てきた言葉は「来年はどうしようとか、まだ確固たるイメージは、特にないんだよね…」。真っ青な海で、潮の流れに逆らわず、ただ空を見つめながら、ゆったりとプカプカと浮いている。そんな姿を僕は連想した。来年、デビュー30周年を迎える中村あゆみ。今回、僕が抱いた彼女の印象は‘0’(ゼロ)。といってもスタート地点に戻ったわけではない。言うならば‘3×0’。3回目のゼロ地点。過去の自分を振り返り、自身の存在を俯瞰で眺めながら、これからの未来を描いていく。その前の瞑想時間といったところか。

 「今度のクリスマスディナーショーは、熟年カップルのお客様が、あっ、これ聴いたことある!という懐かしのナンバー中心に歌おうと考えてるんだ。ああ、この曲が流れていた時は…なんて、あの頃の二人の出逢いとか青春が甦ってきて…帰り道、腕を組んで、手をつないで、今まで積み重ねてきた日々をかみしめ合う。私の歌が、そんな時を過ごす入口になれば…ってね」。その夜は、彼女の歴史や想い出も降り積もる、素敵なクリスマスになるに違いない。

川越プリンスホテルディナーショー
12月23日(月・祝)
会 場◇ 川越プリンスホテル・プリンスホール3F
開 演◇ 18:00
お問合せ◇ 049-227-1112(10時~18時)

N@chan!編集長 田中公仁郎

真夏の中村あゆみ 中村あゆみオフィシャルチャンネル
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