はなわの独り言

2011年7月

はなわの独り言 Vol.7 「心からありがとうの巻」

 夕方、編集長の先輩から電話が。「はなちゃん、疲れてないか?」「は、はい?」「よし、決まりだ。今から整体に行くぞ」。いや、今の「はい」はYESという意味じゃなく、「いきなり何なんですか?もしもしも言わずに」という僕なりの少年的反抗だったわけで。でも確かに疲れはMAX、余計なエネルギーは節約節約! ムダな抵抗はやめて指定された赤坂に向かうことにしました。先輩と落ちあうやいなや「サイパンは自然が山盛りでな、ゆったりと時間が流れてるんだよ」「???」「町にはマッサージ屋さんがいっぱいあって、しかも激安。癒しの島なんだよなぁ。今日はそのイメージトレーニングだ」。え?突然呼び出しといてトレーニング?まさかマッサージ師をやれとか言うんじゃ・・・そんな不安が黒猫のように横切った時は、すでに整体院の入口でした。

 不吉な妄想が広がる中、恐る恐る顔を上げると看板には、『京都ほぐし整体 はんなり』。おいおい、サイパンのイメトレっつうのに、なんで純日本なんだぁ。暖簾をくぐると、店内は想像以上に京都そのまんま。町屋風のお部屋に案内されて・・・「先輩!こう言っちゃ何ですが」と眉間にシワを寄せながら振り返ると、そこにパンツいっちょの先輩が立っていました。「はなちゃんも脱いで」「え? 僕もいいんすか?」「そりゃそうだ。ゆったりと癒されながら、サイパンの風景をイメージするんだよ」。あ、そういうこと?それならそうと言ってくれれば余計な心配しなかったのに。よ~し、 今日は存分に癒されちゃうぞ。ここから先は美人スタッフの巧みな技術に身を任せ、ああ、桃源郷の世界が待っているのね…と思いきや、横の障子がスルスルっと開いて。 「早速、イメトレはじめようか」という悪魔の声。「いや、もう少し癒されてからのほうがイメージが湧くんじゃ~」「バカちん!予算の都合上60分しかないんだから、ゆっくりしている時間はない!」「え? ゆったりと時間が流れるんじゃないんすか?」。

 僕の意見はそのまま闇に葬られ、先輩の講義がスタートしたのです。「サイパンには、ハナミツ、スパヴェルデ、ダイナミック、悠々、霞、レジャーマッサージという人気店が目白押しで・・・(しばらくカクカクシカジカが続く)」。まるでお経のような先輩のトークと、身体の芯までほぐれる京都ほぐし整体のコラボレーション。僕の中に、まるでサイパンダのような、こんなの絶対あり得ないイメージがすくすくと育っていきますが、公認観光大使の件、先輩、大丈夫なんでしょうか?

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