H伝説の男

2011年4月

伝説の男 vol.4 「Mr.Ju」

 ガラパンのビーチロード沿いにある『Asia Rent Car & Scooters』。たくさんのスクーターやハーレーダビッドソンがずらりと並んでいる場所がそこだ。このお店を経営するMr.Juは韓国・慶南で生まれ育ち、1997年にサイパンにやって来た。一年中、大好きなバイクに乗れる。そして、趣味の釣りがいつでも存分に楽める。そんなシンプルな目的だった。

 ところが、韓国から自分のバイクが運べない事態に。しかし、南国サイパンをハーレーで走りたい。 その想いは高まるばかり。じゃあ、いっそのことバイクのレンタル屋でも始めちゃえ!と開業に踏み切ったそうだ。以来、スクーター、バイクレンタルの先駆けとして、現在も元気に営業中だ。 お店を訪ねると、ユニークな、ある存在が迎えてくれた。2004年3月4日生まれのオウム‘トニー’。Mr.Juの心強いパートナーだ。なんと、このトニー君、生後1年くらいから言葉を話せるようになったという。しかも、3カ国語が話せるというから驚きだ。日本語は「おはよう」「こんにちは」「ありがとう」。英語は「Bye Bye」 「How are you?」。当然ながら韓国語はかなりのもので、鏡に映っている自分の姿を見て「トニー、キレイね」「キレイだからキレイと言うんだよ」とまで話せるとか。また、花を見ると「イップダ」(韓国語でキレイの意)、夜に電気を消すと「ByeBye」と状況判断もできるらしい。

 トニー君の好きな食べものは、三段バラの焼肉とマグロの刺身。週に2回はシャワーも浴びる。Mr.Juが園芸用のスプレーで10分ほど水を吹きかけてあげるリラックスタイムだ。彼が仕事上で大切にしていること、 それは整備。バイクというマシンは、きちんとメンテナンスすれば故障もなく、安全に楽しんでもらえる。人が運転するものなので、確かに事故がないとも限らない。なので万が一に備えて、お客様から連絡が取れるように毎日24時間待機している、とのこと。バイクをこよなく愛するMr.Ju。トニー君が言葉を話せるようになったのは、そんな彼の愛がたっぷり注がれて育ったからかもしれない。

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